
「今の仕事、辞めるべきなんだろうか」。そう考えたことのある人は、思っている以上に多いはずです。
労働環境、人間関係、キャリア、給料、そして心身の健康。迷う理由を挙げ始めたらキリがないくらい、この手の悩みには絡み合った要素がたくさんあります。
私も悩んだ末に退職を決めました。
絶賛無職です。
時間だけはたっぷりあるので、
「じゃあその"辞めるべきかどうか"を客観的に判定してくれるツールを、自分で作ってみよう」と思い立ちました。
ただし先に断っておくと、プログラミング知識は正真正銘のゼロです。
「コードって、`<>`とか英語でなんやかんやするアレでしょ?」「C言語も、なんか聞いたことあるキーワードだよね?」というレベルで、素人オブ素人。
AIについても、それまで特別な使い方をしていたわけではなく、ChatGPTを開いては美容の相談をしたり、ビックリマンチョコ風の画像を作らせて遊んだりする、ほぼ暇つぶし専用の話し相手として使っていただけでした。
そんな私がわざわざツール作りに手を出したのは、周りから「退職した後も、この仕事続けるべきかな」「こんな理由で辞めたら甘いのかな」といった相談を受ける機会が増えていたからです。
無職で時間があるからか、こういう話を持ちかけられることが増えていて、そのたびに自分の感覚だけで答えるのも心もとなく、「客観的に判断できる材料があったらいいのに」と感じていました。
だったら、その判断材料そのものを自分で作ってしまえばいいのではないか。
そう思い立ったのが、今回の出発点です。
正直なところ「これ、うまくできれば収益化できるかも」という下心もありました。
ただ同時に、今の自分の知識と作り込みの精度では、そう簡単にはいかないだろうという現実的な感覚もありました。
それでも、まずは形にしてみようと動き出したわけです。プログラミング知識ゼロ、AIも暇つぶし用途でしか使ったことがない状態からのスタートでしたが、AIと対話しながら進めていくと、想像していたよりずっとちゃんとしたものができ上がりました。
この記事では、その一部始終を記録しておきます。副業に興味がある方、AIを使って何か作ってみたいけど何から手をつけていいか分からない方、あるいは「辞めるかどうか迷っている」当事者の方にも、何かしら参考になれば嬉しいです。
最初の一歩は、拍子抜けするほど早かった
最初にAIへ送った指示は「退職すべきかどうかを客観的に判定する診断ツールを作ってください。観点は労働環境、人間関係、キャリアパス、報酬・評価、心身の健康の5つ。結果は4段階で出してください」というシンプルなものでした。正直、何が返ってくるのか全く想像がついていませんでしたが、数十秒後には質問リストと判定ロジック、アドバイス文まで含んだ骨組みが一式でき上がっていて、「え、こんなに早くできるの」と拍子抜けしたのを今でも覚えています。副業でツールやサービスを作ってみたいけれど、エンジニアじゃないから無理だと思っている方は多いと思いますが、実際にやってみると最初の一歩のハードルは思っているよりずっと低いというのが率直な感想です。
欲が出てくると、どんどん沼にはまる
骨組みができ上がると、不思議なもので急に欲が出てきます。
「心身の質問をもう一つ追加して」「上司との関係についての質問も足して」とお願いしているうちに、最初10問だった質問数は気づけば15問まで増えていました。
時間があるからこそ、どんどん細部にこだわってしまう。
これは副業やプライベートプロジェクトにありがちな沼だと思いますが、はまっている時間自体はむしろ楽しくて、苦にはなりませんでした。ちなみに質問数を増やすたびに、満点や配点も自動で計算し直してもらえたのは正直かなり助かりました。
自分で電卓を叩いていたら、どこかで絶対にミスをしていたはずです。
最初にちらっとよぎった「収益化できるかも」という下心は、質問数が増えて骨組みがしっかりしてきたタイミングで、また顔を出しました。
「これ、noteやココナラで販売できるんじゃないか」。
無職、俄然やる気を出す。
フッターに著作権表示を入れ、レポートを保存できる機能を追加し、さらにAIによる個別アドバイス機能まで組み込むことにしたのです。
副業やプチ起業を考えている方なら、この「趣味から一気に商品目線に切り替わる瞬間」に、心当たりがあるのではないでしょうか。
無職で収入がない身だからこそ、余計にそのスイッチが入りやすかったのかもしれません。
一番大変だったのは、エラーとの付き合い方
ここからが本題と言えるくらい、大変でした。
AIアドバイス機能を試してみると「取得に失敗しました」とだけ表示され、原因を尋ねても最初はよく分からない。
「Invalid response format」というエラーが出て何度試しても解決しないまま、スマートフォンで動かそうとしていたこと自体が状況を複雑にしていたことも後で判明しました。
ツールが動いている環境(サンドボックス)の仕組み上、外部のAPIへの接続が制限されている、ということが分かるまでにかなり時間を使いました。プログラミング未経験だと、エラーメッセージを見ても「何を言っているのか分からない」という状態からのスタートになるので、この時間はなかなか堪えました。
最終的には、外部APIへの接続をやめて、ロジックベースで回答パターンに応じたアドバイスを組み立てる「疑似AI」方式に切り替えることにしました。
これがうまくハマり、スマートフォンでもパソコンでも問題なく動くようになったのですが、ここで学んだのは「うまくいかない時は、やり方そのものを変える」というシンプルな話です。
これは、仕事を辞めるかどうか迷っている時にも、実は同じことが言えるのかもしれません。
デザインで、ようやく「自分のもの」になった感覚
機能が固まってくると、今度はデザインが気になり始めました。
「初見でトップページが分かりにくい」「枠が多すぎて、どこを押せばいいか分からない」といったフィードバックを重ねるうちに、ネイビーとラベンダーを基調にした落ち着いた雰囲気のデザインに仕上がっていき、加えて診断中に寄り添ってくれるキャラクターも追加することにしました。
最初は手描きのキャラクター画像を使う予定でしたが、環境によって表示が崩れることがあったため、最終的にはSVGで描いた小さな妖精のキャラクターに変更しています。
羽がふわふわと動き、杖からきらめきが出る、ちょっとした演出です。
ここまで来ると、単なる「AIに作ってもらったもの」ではなく「自分が作ったもの」という感覚が芽生えてくるから不思議なもので、副業でモノを作る面白さは案外こういうところにあるのかもしれません。
Claudeはデザイン面の設計苦手だから、
ゆくゆくは別のツールで強化したいな。
X(旧Twitter)シェア機能で、まさかのつまずき
「診断結果をXでシェアできるようにしたい」とお願いしたところ、ボタンを押すとログイン画面が無限にループするという原因不明のエラーが発生しました。
調べてみると、原因は古い`twitter.com`のURLをそのまま使っていたことで、新しい`x.com`のURL形式に変更し、さらにボタンの実装方法自体を見直したことで、ようやく正常にシェアできるようになりました。
たった数文字のURLの違いで丸一日を使ってしまったわけですが、小さな設定ミスが思わぬ大きな時間ロスにつながるというのも、ものづくりの過程ではよくある話だと感じます。
できあがったもの、そして学んだこと
最終的にでき上がったのは、15問の診断、5つの観点によるスコア判定、4段階のレベル評価、回答パターンに応じた個別アドバイス、レポート保存機能、Xシェア機能まで備えた、なかなか本格的なツールでした。
プログラミングを一行も書かずに、ここまで形にできるとは正直思っていませんでした。
今回の経験から得た学びはシンプルで、「分からないことは、そのまま聞けばいい」というだけのことです。
エラーが出たら画面をそのままスクリーンショットして「これはどういう意味ですか」と聞く。
それだけで、驚くほどスムーズに解決に向かっていきます。
専門用語を覚える必要も、正しい質問の仕方を身につける必要も、最初はまったくありません。今の仕事を続けるべきか辞めるべきか、副業を始めるべきかどうか。
こうした迷いも、結局は「分からないことを、分かる人や仕組みに聞いてみる」ことから前に進むのだと思いますし、AIはその相談相手の一つとして、思っている以上に頼りになる存在でした。
ただし!
AIは万能だけど正確ではない部分もあります。
必ずチェックすること、手を加えることは必要です。
時間があるなら、まず何か一つ、小さく作ってみる。
スマホ1台でツールは作れる!
それが今回いちばん伝えたいことです。